成長を続けるドローン市場、5Gがもたらす大変革のすべて

飛行性能、飛躍的改善

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21世紀は破壊的イノベーションの時代となる。中でも無人航空機や飛行ロボット(ドローン)は、軍事的な用途から消費者、商業に至るまで、あらゆる用途に展開している。コロナ禍の中、小包の配達だけでなく、遠隔地への緊急物資の配布にもドローンを活用。ドローンの普及を社会経済の復興だけでなく、将来の成長を確実に支えるレベルにまで高めるには、第5世代通信(5G)やビッグデータ(大量データ)などの先進技術との融合が不可欠だ。

ドローン市場が成長を続けている。農業用、検査用、空撮用、監視用、計測用などを中心に、日本では2026年に1750億円(約16億ドル)以上の市場になる見込みだ。より迅速で効率的な運用に向け、遠隔監視や自動化を導入する企業が増えている。

従来、ドローンを効果的に活用するには、接続性の問題で一定の限界があった。ほとんどの無人航空機は低高度空域で運用する。ドローンの運用範囲は無線操縦の範囲に限定され、独自の無線制御ソリューションを開発しても、運用範囲はわずか数キロメートル。目視範囲内に限られていた。

ところが、4Gで接続性が向上し、状況は一転した。優れた接続性により、ドローンは複雑なミッションを実行。大容量のデータや高画質映像をクラウドにアップロードし、目視外を含めた長距離を自律的に移動できる。

より高速で信頼性の高い接続性を持つ5Gはドローンの利用に大きな変革をもたらす。5Gは、現行の4Gと比べてデータ通信速度が約100倍となる1秒当たり10ギガビット(ギガは10億)、伝送時の遅れが10分の1となる1ミリ秒(1000分の1秒)の性能を持つ。ビッグデータ(大量データ)の収集と送信が可能になり、人工知能(AI)によるデータ分析で運用を最適化できる。

4K、8Kという超高解像度の画像や動画のリアルタイムストリーミングも可能になり、飛行中のドローンを追跡する航空交通情報も向上。複数のドローン群を一元管理もできる。

5Gに対応したドローンからのビッグデータをクラウド上で統合管理することで、ドローンのサイズ、重量、消費電力(SWaP)を抑えられ、ドローンの小型・軽量化、低消費電力化が可能となる。

これにより、現在のドローンの大きな課題である飛行時間の改善につながる。

ノキアソリューションズ&ネットワークス執行役員 ドニー・ヤンセンス

日刊工業新聞2021年8月13日

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