ヤマハ発?ホンダ?川崎重工?電動化に挑む2輪車メーカーで生き残るのは誰か

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ホンダのビジネス用電動2輪車「ベンリィ イー」

電池標準化・技術確立など急ぐ

電動2輪車の普及に向けメーカー各社が動き出した。ヤマハ発動機は2050年に2輪車の90%を電動化する方針を表明。ホンダは配達などのビジネス用途に続き、24年までに個人向け3車種を発売する方針で、大型の電動2輪車の投入も計画している。国内主要4社は電動2輪車向け交換式電池の標準化に合意した。脱炭素の達成に向け、電動化の流れは2輪車にも及んでおり、各社は対応を急いでいる。(江上佑美子)

ヤマハ発動機は電動2輪車のプラットホーム開発に取り組む。丸山平二取締役上席執行役員技術・研究本部長は「カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現を目指す上でソリューションを創出することは、当社にとってチャレンジでありチャンス」と意気込む。

ホンダは24年までに原付き一種、同二種クラスの電動2輪車3車種を投入する考えだ。「多様なニーズに応えるべく、ビジネス領域に加え、付加価値が高い領域の商品を含めたラインアップを目指す」(三部敏宏社長)。

大型タイプに強みを持つ川崎重工業も電動や、エンジンとモーターを併用するハイブリッド型の2輪車に関して「技術開発のめどは立てており、商品化に向けた検討を進めている」(橋本康彦社長)と意欲を見せる。スズキも26年3月期までの中期経営計画で、電動2輪車を投入する方針を示している。

電動2輪車の普及において、商品拡充とともにカギを握るのが電池だ。ホンダ、川崎重工業、ヤマハ発動機、スズキは3月、電池とその交換システムの標準化に合意した。日本自動車工業会(自工会)の日高祥博副会長(ヤマハ発動機社長)は「4輪車と比べて2輪車は台数や、1台に積める電池の量が少ない。各社が個別に電池を調達するのは難しい」と背景を説明する。「グローバル標準」を目指し、欧州メーカーとの連携も進める。

矢野経済研究所の調査によると、世界で2輪車の電動化比率は20年の4・8%から、30年には最大約20%に達する。日高自工会副会長は「2輪車は国内4社が世界市場シェアの約半分を持つ。カーボンニュートラルで地殻変動が起こる可能性がある」とした上で、カーボンニュートラル対応について「日本が負けることがないとの気概で頑張っている」と強調する。

政策の後押しもある。東京都は35年までに都内で販売する2輪車の新車を、全て非ガソリン車にする方針を示している。21年度を「非ガソリン化元年」と位置付け、6月には電動バイクの購入費補助を拡充した。

自工会の統計によると、国内の2輪車の販売台数は40年前の2割以下だ。いち早く電動化の技術を確立し、特に2輪車の需要拡大が期待できる新興国への普及に成功したメーカーが生き残りに成功するといえる。一方、充電ステーションの不足や災害時の対応など、普及に向けた課題は多い。

ホンダも「電動化だけでなく、ガソリンエンジンの燃料改善やバイオ燃料の活用にも取り組む」(三部社長)としている。

日刊工業新聞2021年8月19日

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