「エシカル消費」を掴め。そごう・西武や生協が需要取り込む
環境や社会に配慮した商品を選ぶ「エシカル消費」に対応する動きが広がっている。百貨店で企画展を実施しているほか、生協は対応商品を拡充する。国連の持続可能な開発目標(SDGs)などの浸透で、消費者の環境意識は一段と高まっている。注目が集まる「エシカル消費」への対応を訴求し、需要を取り込む。(編集委員・大友裕登)
そごう・西武は西武池袋本店(東京都豊島区)で、環境に配慮した商品を集めた「エシカルコンビニ」を開催中。雑貨のセレクトショップを手がけるアッシュ・ペー・フランス(同港区)とコラボ。折り畳みできるマイカップやマイボトルのほか、バッグやコスメ、食品、雑貨など38ブランドを一堂に展示、販売している。バーチャルストアも開設し、ショッピングサイトからも購入できる。
商品の脇には、利用による環境への貢献などが記されたボードを設置。商品に触れることで、その商品の意義や背景も知ることができる。「エコだけではなく、エシカルの考えを浸透させていきたい。考えてもらう機会にしたい」(リーシング本部商品計画部)としている。
今後もエシカルに関する催事を定期的に開催する意向で、消費者への発信を続ける。
環境意識の高まりから、エシカル商品を好んで購入する動きは広がっている。日本生活協同組合連合会(日本生協連)がまとめた2020年度でのコープ商品のエシカル消費対応商品の売上高(推計値)は、前年度比15・8%増の2009億円となった。16年度実績に比べると約2・1倍で、右肩上がりで推移している。
エシカル消費のさらなる普及拡大に向けて、環境や社会に配慮した主原料を用いた商品に共通ロゴをつけてシリーズ化する。21年度中に約100品目を販売する予定で、将来は200―300品目に拡大する計画だ。
日本生協連は、18年に「コープSDGs行動宣言」を採択し、エシカル消費対応を推進。21年5月にはコープ商品の各原料資材などの持続可能な調達目標「コープ商品の2030年目標」を設定し、認証品の調達比率を引き上げる方針を表明した。