電動車の中古市場で実用化へ。車載電池「劣化診断システム」の中身

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東洋システムは二次電池評価装置の運用で実績を持つ

東洋システム(福島県いわき市、庄司秀樹社長)は、電気自動車(EV)など電動車のリチウムイオン二次電池の劣化を1分前後で精密診断するシステムについて、今秋から国内自動車メーカーと協力して首都圏のディーラーで実証を始める。電動車の中古市場やリユース市場で電池の残存量を確認するシステムとして実用化を目指す。今秋から実証に入る1社を含め、国内自動車メーカー3社と事業化を進める構え。

同システムは電動車が搭載する電池について、30秒ほどの充放電で電流、電圧、電池温度のデータを取得。電池の初期特性モデルを用いてシミュレートし、測定した電圧から内部抵抗の増加率を算出して電池の残存容量をほぼ瞬時に測定する。

初期特性のモデルとの相対評価で解析するため、大量のデータ収集・解析の必要がない。評価装置は20万―30万円で設置可能。東洋システムは、基本特許や周辺特許などを取得している。モバイル端末や産業機器など幅広い機器に適用できる。

診断は1回3000―5000円(消費税込み)を想定。電動車の電池を通信コネクターへつなぐとクラウド上で処理して初期特性モデルを判断。車載電池の劣化度を容易に測定する。

中古市場に流入する電動車への利用や、再生可能エネルギーのバックアップ用としての電池のリユースといった利活用が期待できる。自動車ディーラーもリユース電池の販売など新ビジネスにつながる可能性がある。東洋システムはシステムを設置するディーラーが増えれば、電池のデータを分析するデータセンターを社内に設置し事業を拡大していく。

日刊工業新聞2021年7月21日

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東洋システム

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