パーキンソン病の治療法開発に光。生理学研が症状を引き起こすメカニズム解明

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生理学研究所の南部篤教授らの研究グループは、パーキンソン病の症状を引き起こす神経メカニズムを解明した。ニホンザルにパーキンソン病のような症状を発症させて症状と神経活動の関係を調べた結果、抑制性のある経路を通る運動神経の伝達が弱まることがパーキンソン病の発病につながることを明らかにした。この抑制性のある経路の情報伝達に介入することで、さらに効果的なパーキンソン病の治療法開発につながると期待される。

パーキンソン病は脳内のドーパミン不足により、大脳基底核と呼ばれる脳領域の神経活動の異常が生じて発症する。だが、大脳基底核の神経活動の異常がパーキンソン病の症状を引き起こす詳しい仕組みは不明だった。

大脳皮質から受け取った運動指令は三つの経路によって大脳基底核の出力部に伝わる。研究グループは二つの興奮性のある経路を遮断することで、弱まっている抑制性の経路「直接路」を通る運動神経の伝達を回復させて症状が緩和することが判明した。

進行期のパーキンソン病患者の視床下核という大脳基底核の別の部位に薬を注入し、神経活動を遮断すると症状が改善する。さらに出力部の神経活動の興奮が消失して直接路を介する抑制が回復することも分かった。

研究は京都大学と共同で実施した。

日刊工業新聞2021年7月19日

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