「コスメ×エンタメ」で商標登録。三粧化研のブランディング戦略とは?

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化粧品とエンターテインメントを融合する(キャンディセラム)

商標で独自製品差別化

三粧化研(大阪府池田市、岡村創社長)は、有効成分をカプセルに詰めた化粧品のパイオニア的なメーカー。コスメティック(化粧品)とエンターテインメントの造語「コスメテインメント」などの商標を開発し、付加価値の高い化粧品ビジネスを指向する。OEM(相手先ブランド)供給が多いため、供給先との協業による知的財産権の活用を重視する。知財による事業の差別化戦略を積極的に推し進めている。(大阪・田井茂)

成分劣化防ぐ

三粧化研はカプセル化粧品を1991年に開発した。成分劣化を防ぎ、潤い効果もある海藻製のカプセルで成分を包む。OEMでの供給先はビタミンなど多様な成分を入れられるほか、見た目の楽しさも訴求できる。

角質を除くジェルや美白クリームなども手がける。「感動や満足感が必要」(岡村社長)だというコスメテインメントにおいて、ニッチ(すき間)市場での個性を発揮する。

中核のカプセル化粧品は16年に「キャンディセラム」として統一的な商標を登録した。カプセル化粧品は競合他社も異なる方法で製造・販売している。そこでキャンディセラムのブランドを確立し、OEM供給先および自社製品の優位性を築こうとしている。

商標化をさかのぼると、01年にコスメテインメント(表示はアルファベット)、05年に「SC」(三粧化研とコスメテインメントの頭文字)のロゴマーク、18年には円形のロゴマークも登録した。中国・北京とシンガポールに関連会社を置いて両国や欧米などにも販売し、一部商標は海外でも登録した。カプセル化粧品の世界ブランドとして認知度を高めようとしている。

化粧品には感動や満足感が必要…と岡村社長(三粧化研提供)

「製品力を強化して守る」(畠中克人信頼保証部長)ため、組織面では08年に経営企画部内に「知的財産ユニット」を設けた。品質と一体化した知財戦略を進めるため、19年には信頼保証部へ知財ユニットを移管した。

独自技術の権利を守り製品の信用を高めることは、OEM供給先の信頼を勝ち取ることにつながる。知財ユニットを立ち上げたころは技術の特許を集中して出願した。今も年間数件出願する。

供給先拡大

畠中部長は「特許で守られた製品であるという証しがあるから、OEM供給先に安心してもらえる」と説明する。OEM供給先は200社以上と現在も増え続けている。

「展示会で類似品を見かけることはある」(畠中部長)とすべてを調べるのは難しいが、これまで技術や商標で大きな係争は生じていない。似たようなブランド名を付けられた事例はあるが、変更を求めて解決したという。

知財ユニットは毎月、社内の知財会議を開いているほか、工業所有権の出願・登録状況の検索も毎日実施している。OEM供給先の意向も踏まえ、どの技術を特許出願すればよいか、逆に他社の技術に抵触するおそれはないかなど、リスク管理に細心の注意を払う。「原料メーカーからの情報収集や知財に対する開発者の意識向上にも努めたい」(同)と意欲を示す。

日刊工業新聞2021年7月19日

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