水素燃料電池のドローン開発へ。電力業界で初の試み
中国電力ネットワークなどが挑む
中国電力ネットワーク(広島市中区、松岡秀夫社長)は、ルーチェサーチ(広島市安佐南区)と共同で、水素燃料電池を動力とする飛行ロボット(ドローン)を開発する。経済産業省の「産業保安高度化推進事業費補助金」に採択され、2022年2月末までに試作機を開発し実証試験を行う。長時間飛行を可能にし、災害時などでの電力設備点検を効率化する。電力業界では初の試み。
開発するドローンは従来のリチウムイオン電池型ドローンに比べ、飛行距離を40キロメートルから50キロメートルに、飛行時間を50分から120分に延伸する。
中国電ネットは送電線などの点検作業に、ヘリコプターや110台余り保有する従来型ドローンを使用している。飛行時間を2倍以上に延ばすことで、緊急時の設備状況を把握し利用範囲の拡大などで点検力が向上、省力化を図れる。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)にもつなげていく。
ルーチェは長時間飛行用の機体設計と試作機の開発を担う。中国電ネットは業務利用を見据えた要件の提示、実証を引き受ける。
日刊工業新聞2021年7月5日