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ブルーレイ60万枚分のデータを1秒で伝送。産総研が開発した「光スイッチ」の実力

ブルーレイ60万枚分のデータを1秒で伝送。産総研が開発した「光スイッチ」の実力

開発した32×32ポートの光スイッチ(産総研提供)

産業技術総合研究所の松本怜典研究員らは、開発した「シリコンフォトニクス光スイッチ」を使って毎秒12京5000兆ビット(京は1兆の1万倍)の伝送実験に成功した。ブルーレイディスク60万枚のデータを1秒で伝送する容量に相当する。理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」の計算速度が毎秒44京2010兆回のため、今回の光スイッチネットワーク約四つ分が富岳1台分に相当する。次世代のデータセンターやスパコンの省電力化につながる。

新型の32×32ポートの光スイッチを光ファイバーでつなぎ、光信号を9回通して光スイッチ九つを直列につないだ模擬ネットワークを構築した。

信号の劣化は小さく、誤り訂正技術で通信品質を確保できるレベルだった。

このネットワークは13万1072ポート、スイッチ総容量が毎秒12京5000兆ビットに相当する。

光スイッチのエネルギー効率は1ビット当たり0・06ピコジュール(ピコは1兆分の1)と現行の電気スイッチの約500分の1。大幅な省電力化につながる。

日刊工業新聞2021年6月7日

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