日産が今冬に発売するSUV型EV「アリア」、日本市場復活の象徴になるか

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日本限定となるEV「アリア リミテッド」

運転支援など、新たな技術を世界に示す

日産自動車は今冬にスポーツ多目的車(SUV)型の電気自動車(EV)「アリア」を発売する。日本専用の限定仕様車を設定し、標準仕様車より先に発売する。4日から予約受け付けを始めた。経営再建中の同社は日本市場を重視するが、新車投入の遅れなどで販売が低迷する。新たな旗艦車種に位置付けるこの新型EVを日本に先行投入してブランドを高め、国内販売に勢いを取り戻せるか注目される。(西沢亮)

「新たな技術を満載して登場するアリアは日産の新たなフラッグシップになる」。星野朝子日産副社長は新型EVに搭載した先進技術に自信を示す。

アリアは電池が66キロワット時と91キロワット時の二つの容量を用意。駆動モーターを前後輪に備えた四輪駆動型もそろえる。航続距離は最大610キロメートル。高速道路の同一車線なら手放しも可能な運転支援技術「プロパイロット2・0」も搭載する。

日本限定の「アリア リミテッド」は予約販売のみの展開で、標準車にない車体カラーなどを選択できる。消費税込みの価格は660万円から。専用予約サイトを通じてのみ注文できる。同サイトの専用会員になると店舗に行くことなく購入までの手続きをオンラインで完結できる。当初発売時期は2021年半ばとしていたが、半導体不足の影響などで22年を含めた冬期に遅れる。標準車の発売は今冬以降を見込む。日本で発売した約2カ月後に、米国と欧州でも発売する。

日産の国内販売は低迷する。11年度に13・8%あったシェアは20年度に10・3%まで下がった。車のモデルチェンジが遅れて古い車種が増えたことが低迷の一因となった。

復活の鍵を握るのは電動車だ。20年に独自技術「eパワー」を搭載したハイブリッド車(HV)専用車の「キックス」と「ノート」を相次ぎ発売し、21年にアリアが続く。アリアの世界販売台数は年数万台と予測しており、台数への貢献は大きくない。しかし星野副社長は先進技術を満載した「アリアのような車をつくれることを世界に伝えられれば、他の車の販売にも影響を及ぼしてくれる」と見る。“技術の日産”を体現するアリアがブランドを復権できるかは、同社の経営再建の行方も占う。

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日刊工業新聞2021年6月7日

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