1000℃の火を5分間あてても穴が開かない「ガラス繊維不織布」はどう実現した?

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1000度Cの火炎をバーナーで5分あてても穴があかない耐火性が特徴

三菱製紙は電気自動車(EV)の二次電池パックや建材向けに、超耐熱ガラス繊維不織布を開発、6月にも市場投入する。1000度Cの火炎を5分間あてても穴あきや割れが生じないなど、高い不燃性、断熱性を持つ。耐火性のある他社のアルミナ繊維などに比べて価格を抑える。3年後には、年に数十万平方メートルの販売を目指す。二次電池周りなどには高温リスクがあるとされ、需要家の安全・安心ニーズに応えていく。

耐熱ガラス繊維不織布は電池パックなどのほか、非鉄金属やガラスの熱加工の工程紙、溶接やレーザー加工の火花に対応する保護紙への活用を想定する。三菱製紙が約750度Cの電気炉で行った試験でも発火せず形状を維持し、加熱後も強度が保たれた。

同製品はガラス繊維と鉱物系の無機粒子などからなる。超耐熱性は、同社の紙・不織布製品の生産で培ったコーティング技術を生かして実現した。

重さが1平方メートル当たり100―270グラム程度、総発熱量が1平方メートル当たり0・1―1・0メガジュール程度の間で幅広く取りそろえた。

素材関連業界にはガラス繊維不織布のほか、アルミナ製などの不燃材料はあるが、同不織布で耐熱性を持ち合わせた商品は珍しいという。

同社は建材の基材となるガラス混抄紙や放電加工向け液体用フィルター、カレンダーなど印刷用不織布を手がける。超耐熱ガラス繊維不織布は、こうした既存製品の総合力を結集して投入する。

日刊工業新聞2021年4月29日

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