東京都、水道メーター13万個をスマート化の狙い
東京都は都内全域にある約750万個の水道メーターのうち約13万個を2024年度までにスマートメーターに切り替えるとともにメーカーへの発注計画を固めた。水道事業の効率化は全国の自治体で検討されるものの、機器の使用環境やコストが壁となっている。最大の発注元である都が踏み切ることで価格が下がり全国に広がる可能性がある。
遠隔検針できるスマートメーターの導入と併せ、スマートフォンアプリを通じたサービスも開始する。検針票や請求書はネット経由で提供し、日々の水量データの変化を通じて高齢者の見回りサービスにもつなげる計画だ。またこれら公共データを扱ううえでのセキュリティー対策を講じたデータセンターを22年度にも整備する。
機器の仕様はこれまでの実証事業で導入実績があるメーターと通信機器が分離したタイプに加え「一体型」や既存の機械式メーターに通信機能を追加する「アタッチメント型」を採用する。いずれのタイプも現状では通信方式の拡張性など都の要求水準を満たす製品が国内にはないため、事業者からの企画提案に基づき型式承認する。
スマートメーター導入による水道事業の効率化やサービス向上は18年に小池百合子知事が表明。都の給水エリアの全量に当たる約750万個について費用対効果などを踏まえて全面刷新する方針で実証事業を重ねてきた。
日刊工業新聞2021年4月27日