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大手損保で初!SOMPOが50年までに温室効果ガス排出量を「実質ゼロ」に

2030年度の再生エネ比率60%に

SOMPOホールディングス(HD)は、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「脱炭素」目標を策定した。30年度までに19年度比で約50%削減する中期目標も設定した。日本の大手損害保険グループでは「脱炭素」「30年度50%減」目標とも初めて。自然災害の多発によって保険サービスの安定提供が危ぶまれる中、同社は自社が高い目標を掲げることで社会に脱炭素化を働きかける。

30年度の半減に向け再生可能エネルギーを導入する。21年度中に東京・新宿の本社で再生エネ電気の購入を始める。続けて自社ビルやデータセンターの電気も切り替え、テナントとして入居する営業所、グループの介護施設にも再生エネの活用を広げる。

SOMPOグループの19年度の排出量は15万トン。その8割が事業所での電力使用で発生している。30年度には電力に占める再生エネ比率を60%に高め、50%減を達成する。

自然災害が多発し、保険金の支払額が1兆円を超える台風も襲来するようになった。保険料も上昇傾向にあり、気候変動を放置すると加入者の負担も増す。同社は保険サービスの継続のためにも温暖化対策が必要となっている。また、ESG(環境・社会・企業統治)投資の要請もある。金融機関には排出量が多い企業や事業への資金支援に厳しい目が向けられており、同社は新規の石炭火力発電への投融資をやめた。

日刊工業新聞2021年4月23日

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