落ち込むコメ需要の救世主に?三井物産などが仕掛けるスマート農業のメリット

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ドローンで撮影した水田の画像から稲の生育状況を調べる

飛行ロボット(ドローン)で稲作を効率化―。三井物産はコニカミノルタ、東邦物産(東京都港区)と共同で、情報通信技術(ICT)を用いて稲の生育状況を可視化するスマート農業に力を入れている。高品質のコメを安定的に栽培できるのが特徴で、新型コロナウイルス感染拡大によりコメの需要が落ち込んだ外食・小売り業界に向けブランド米“完熟米”を販売し、消費喚起を促す。

「でんぷんが多く含まれるコメを安定して栽培できる」と、東邦物産に出向中の三井物産食料本部の正木卓氏はスマート農業のメリットを強調する。

ドローンで水田を撮影し、稲の草丈や茎の数、葉の色といった生育状況を画像から解析する。また、生育が順調ではない場合、稲からの太陽の反射光が大きくなる。これらを画像から読み取り「害虫や肥料不足、水温のむらといった原因を特定し、改善する」(正木氏)。

同技術により、粒の整ったコメの生産割合が従来に比べ10―15%向上したという。コメは“完熟米”というブランドで、首都圏のイトーヨーカドーで販売を始めた。

コメの需要が落ち込み米価が下がる中、よりおいしいコメをつくり、付加価値をつけられるかが問われている。正木氏は「生産者が十分な収入を確保できるよう消費喚起に貢献したい」とし、コニカミノルタFORXAI推進部の斎藤毅氏も、将来的には「生育がうまくいかない理由を人工知能(AI)で自動的に特定できるようにしたい」と力を込める。

日刊工業新聞2021年4月16日

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