5G×VRで「遠隔バスケ」教室、広島テレビ放送などの取り組みが面白い!

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さまざまな技術を活用して遠隔で指導(ドコモ中国支社側)

知恵と技術駆使

第5世代通信(5G)×4K・仮想現実(VR)で遠隔スポーツ教室に挑む―。広島テレビ放送や地元企業など7社が協力し、広島テレビホール(広島市東区)とNTTドコモ中国支社(同中区)間を5G回線で結び、4Kの高精細映像による「遠隔バスケットボール教室」の有効性を実証した。

広島県とドコモによる「ひろしまサンドボックス PITCH TRIAL」の一環として、遠隔地におけるスポーツ指導格差の解消に向け、7社が知恵と技術を駆使した。5Gの特性である低遅延映像や、VRを活用したプロ選手による指導により、遠隔地の生徒に対しても、質の高いレッスンが体験できることを実証した。

バスケットボールはプレーヤーの女性比率が野球やサッカーに比べて非常に高く、地域課題の解決に最適という。コンソーシアム(企業連合)の代表は広島テレビ放送、地元企業はエネルギア・コミュニケーションズ(エネコム、広島市中区)、ビーライズ(同)、モルテン(広島市西区)が参加。NTTドコモは5G回線と「dOIC(ドコモオープンイノベーションクラウド)」、富士通は4K・VR映像伝送システムなどを提供した。

遜色ない体感

指導したのは、2020年度に「B1(1部リーグ)」に昇格した「広島ドラゴンフライズ」のコーチなど。家族や親族が指導の様子を見学したり、受講者が帰宅後や後日に自身の動きや指導内容をアーカイブ(保存記録)で閲覧したりできる環境を用意した。

実証後に行った参加者へのアンケートによると、生徒からは「VR映像はリアルの現場に近い環境を再現でき、リアルと遜色ない体感だった」と総じて好評。「自分のフォームを客観視でき、改善に非常に役立った」「振り返りの映像を見返すことは普段なく、4Kの画質で改善点が明確になった」といった声もあった。

サービス支える

コーチ陣は「指導中も映像があることで教えやすかった」「スローモーションがあれば、よりやりやすかった」などと回答した。

事業化は未定ながらも、広島テレビ放送を中心に今後の展開を検討していく。4K・VR映像伝送システムや配信サーバーなどの機材を提供した富士通は高精細な映像やVR映像をスマートフォンやタブレットなどで利用できるといった利点を踏まえ、「複数の視点での映像やVR映像などをユーザーが選択して観戦できる新サービスを支える技術となる」と今後への期待を込めた。(編集委員・斉藤実)

日刊工業新聞2021年4月12日

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NTTドコモ 広島県

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