イオンは取引先の人権も守る!「お取引先さまホットライン」を開設した狙い
取引先従業員まで拡大
イオンは取引先の従業員から人権侵害の情報提供を受ける「お取引先さまホットライン」を開設した。ホームページやスマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)を用意し、嫌がらせや長時間・低賃金労働、命の危険を感じる作業などの情報を受け付ける。取引先まで拡大した人権相談は日本では珍しい。
通報者のプライバシーを保護するため、NGO(非政府組織)のザ・グローバル・アライアンス・フォー・サステイナブル・サプライ・チェーン(ASSC)が相談窓口となり、希望者に匿名でイオンに報告する。
イオンは人権方針を掲げて取引先にも対応を呼びかけているが、2次、3次の取引先に当たる加工業者や野菜の生産者に伝わっている保証がなかった。人権侵害で不満をためた従業員が手抜き作業や不正を犯すと取引先は信頼を失う。また、取引先の人権問題に大企業の責任が及ぶとする考え方も定着しており、イオンも踏み込んだ対応を模索していた。もちろんホットラインの存在を取引先の従業員に知ってもらわないと機能しない。同社環境・社会貢献部の木村紀子マネージャーは「説明会を開くなどし、時間をかけて認知してもらう」と方針を語る。
日刊工業新聞2021年2月5日