三菱商事・丸紅・伊藤忠…総合商社がDXで新サービス創出競う

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購買データを活用しターゲティング分析の精度を高める(イメージ)

総合商社各社がデジタル変革(DX)を活用し、新たなサービスの創出に向けた挑戦に取り組んでいる。三菱商事はNTTと共同で、DXの企画やソリューション開発を提供する新会社を2021年度中に立ち上げる。丸紅が経営とITの両面からDXを推進するコンサル会社を設立したほか、伊藤忠商事はファミリーマートなどとデジタル広告配信事業の展開に向けた新会社が動きだしている。(浅海宏規)

三菱商事 NTTと食品流通向け

三菱商事とNTTが立ち上げる新会社のインダストリー・ワンは食品流通分野からサービス提供を始め、あらゆる産業に広げていく。3年後に社員100人規模、売り上げで30億―50億円規模が目標だ。

両社は19年に業務提携。これまで三菱商事子会社のエムシーデジタル(東京都千代田区)と独自開発した人工知能(AI)エンジンを用い、約1万商品を対象とした実証実験では物流センターの在庫を最大4割削減し、欠品率を下げることなどにも成功した。今後、三菱食品が運営するローソン向け物流センターの一部で「加工食品や菓子、飲料などを対象にこの仕組みを応用」(三菱商事)し、他企業にも順次展開していく。

丸紅 導入・保守課題に対応

丸紅が20年末に設立したドルビックスコンサルティング(東京都中央区)は、事業・IT戦略、システムの導入・保守など、DXに関するさまざまな課題に対応していく。社名はDXとラテン語で羅針盤を意味する「オルビス」を組み合わせており「幅広く事業展開することを目標に、あえて丸紅の名前を社名に用いなかった」(佐藤由浩社長)。

伊藤忠 スマホに最適広告

伊藤忠商事はファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェントと共同でデータ・ワン(東京都渋谷区)を昨年設立し、事業を始めている。購買データなどを活用し、利用者に最適なデジタル広告をスマートフォンなどに配信するのが狙いだ。データ・ワンの太田英利社長は「購買データと既存の会員データを類推し、ターゲティング精度を高めた分析が可能になると考えている」とサービスの普及に向け意気込む。

これまでも新しいビジネスを展開してきた総合商社各社はDXにより次の成長の柱を生み出そうとしている。

日刊工業新聞2021年4月2日

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