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武蔵精密が人事制度見直し、「ジョブ型」雇用も視野に

【名古屋】武蔵精密工業は、似た業務ごとに処遇を設定する新たな人事制度を4月に導入する。新型コロナウイルス感染症をきっかけに、同社ではテレワークなど新しい働き方の導入が加速した。仕事内容や求める成果を見える化し、ムダを省いて生産性向上を目指す。将来、新制度を発展させ、仕事の内容や役職で処遇を決める「ジョブ型」雇用の導入を視野に入れる。

新人事制度は、似た業務をまとめて「職群」として定義し、それぞれの仕事内容や働き方に応じた処遇を設定する。全社を対象とする。例えば人事や開発など、類似する業務を束ねた職群の職務価値に応じて、処遇を設定する。

一般的なジョブ型雇用は、具体的な職務内容や求める能力などを明確にしたジョブディスクリプション(職務記述書)を元に、従業員の処遇などを決める。ただ急速な制度の切り替えは現場の混乱を招く可能性もある。そこで徐々にジョブ型が浸透するよう、既存の人事制度と融合させた「ハイブリッド型」の制度を導入する。

同社は新型コロナの拡大以降、働き方改革が加速。これを機にジョブ型に向けた取り組みを進めてきた。2020年4月からは、必要な業務と不要な業務を見極め、残った業務の効率向上を図る「仕事の3S活動」を実施。同年10月にリモートワーク制度や社内公募制度を正式導入したほか、20年末にはセカンドキャリアを支援する、一時的な希望退職制度も実施した。

日刊工業新聞2021年4月1日

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