頭取人事を撤回したみずほ、事業にどこまで影響が出る?

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謝罪する坂井辰史みずほFG社長(左)ら

みずほフィナンシャルグループ(FG)は17日、傘下のみずほ銀行が連続して起こしたシステム障害を受け、4月1日に予定していた頭取交代の人事を撤回すると発表した。また、坂井辰史みずほFG社長は、内定していた全国銀行協会(全銀協)会長就任を当面見送る。同日、坂井社長は一連の問題で初めて記者会見にのぞみ「信頼を損ねる事態を起こしたことを深く受け止め、おわびする」と謝罪した。

みずほFGは2週間でシステム障害を4度起こし、異例の措置を取る。発表済みの頭取人事を「白紙撤回する」(坂井社長)。4月1日以降も藤原弘治頭取が銀行トップを続け、頭取に内定していた加藤勝彦常務執行役員は副頭取に就く。さらに4月以降に計画していた営業店舗の再編や人事異動の一部を延期する。

みずほFGは第三者委員会を設置し、システム障害の原因究明をする。これとは別に社外取締役で構成する委員会を設け、再発防止の取り組みを評価する。坂井社長は「背景に、勘定系の新システム『MINORI』に移行して2年たち、気の緩みがなかったか」と指摘した。

また、「みずほは本当に大丈夫か、と信用・信頼が著しく損なわれている現状だ」と、自社に厳しい視線が注がれているとの認識を示した。

会見要旨

会見した坂井社長と石井哲取締役との主なやりとりは次の通り。

-システム障害にはみずほFGの組織的な問題があるのか。

坂井氏「4回も障害を起こしたことについて直接の因果関係は判明していないが、深刻に受け止めている。みずほの組織的な問題につながるかどうかは、原因究明する中でしっかりと検証していく必要がある。顧客や世間から、みずほは大丈夫かと信用・信頼が著しく損なわれているのが現状。まずは原因究明と早期の改善対応に努める。みずほFGやみずほ銀行と利害関係のない第三者委員会に客観的・専門的に検証して頂く」

-4月以降の営業店の体制や人事の見直しは?

坂井社長「グループ全体で襟を正して今回のような事態を起こさないことが最優先課題。あと2週間で期末、期初の繁忙期に入る。通常業務をしっかりこなせるよう営業現場へも最大限配慮していく。4月に予定していた大きな組織再編は見送る」

「みずほ銀行の社長人事取消は、原因究明と改善対応を現職の藤原頭取が対応するという趣旨。しかるべきタイミングで加藤常務執行役員が予定通り頭取に就任するのが基本的な方向感だ」

-坂井社長の経営責任については。

坂井社長「持ち株会社社長としての責任がある。原因を追求し、極力早期に信頼回復を図るのが責務。原因究明、再発防止の上でどういう責任を取るかを考えていく」

一連のシステム障害を受けて顧客からの声は。

坂井社長「信用・信頼そのものが損なわれたことは極めて大きい。解約するとの声も認識している。期末は繁忙期だが、個人や法人顧客から本来の通常業務をこなせるかとの懸念もある。極力早期に、みずほを使っても大丈夫というレベルにしなければいけない」

-第三者委員会による調査期間はどれくらいか。頭取の交代時期の見通しは。

坂井社長「第三者委員会による調査などは必要な範囲でしっかりやってもらう。特に障害は4件あり、時間軸は現時点で申し上げるべきでない」

-勘定系システム「MINORI」への過信や気の緩みがあったか。

坂井社長「4つの障害を、ファクトとして把握、分析する必要がある。何が本来の原因か特定し、対応を検討していく必要がある。実際にシステムの運営管理や仕様そのものも運用環境を監視し、アップデートすることが常に求められている。まずは事象をしっかり整理し、関連する必要範囲の検証を行う必要がある。事態を矮小していないか、根本原因に向き合っていないか、という見え方もあるので、第三者委員会でしっかりみてもらう」

石井取締役「4回の事象について、つまびらかに何が起きたか調査をしっかりする。FGのCIOとして、MINORI を含めた全体のシステムの運営体制、開発会社の体制もみてきた立場にある。人的配置についてもファクトを説明した上で判断を委ねたい」

日刊工業新聞2021年3月18日

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