ルネサス社長「1カ月で再開」を強調も、出荷水準が戻るのは3―4カ月後
ルネサスエレクトロニクスは30日、生産停止中の那珂工場(茨城県ひたちなか市)・300ミリメートルウエハーラインについて、火災の発生した19日から1カ月以内で生産再開するとの目標をあらためて示した。柴田英利社長は同日、「非常に順調に作業が進捗(しんちょく)しており、(1カ月以内の生産再開について)現時点でその達成確度が大きく高まっている」と述べた。ただ、全ては使用不可になった製造装置の調達次第となる。
同社は被災により調達の必要な製造装置の台数を前回公表の11台から23台に修正した。そのうち11台は4月末、5台を5月中下旬、2台を6月以降に導入・稼働する予定。残る5台は納期を確認している段階だ。柴田社長は「1日でも2日でも1カ月でも早いタイミングでの納期を求めており、日々スケジュール短縮を目指している」と交渉を続ける。
火災時に製造ライン上にあったウエハー全体の約4分の3は無事だったため、生産再開後に順次装置へ投入する。火災発生から2カ月後に製品出荷を再開し、出荷水準が火災前に戻るのは3―4カ月後になる見通しだ。
日刊工業新聞2021年3月31日