「市 → 中国人オーナー → 香港ファンド」夕張リゾート、破産までの曲折

コロナ第三波がトドメ、資金調達が難航

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宿泊客に占めるインバウンドの割合は平均40%だった(写真は夕張メロン)

夕張リゾートは2020年12月24日に事業を停止した。21年1月28日に札幌地裁へ自己破産を申請、2月1日に破産手続き開始決定を受けた。

同社は07年2月に設立。北海道夕張市が出資するリゾート施設運営会社が経営破綻したため、スキー場などのレジャー施設の運営を受託された観光施設等運営業者の関連会社として設立され、「マウントレースイスキー場」や「ホテルマウントレースイ」(118室)、「ゆうばりホテルシューパロ」(153室)、「合宿の宿ひまわり」の4施設の運営を手がけていた。

その後、指定管理契約の満了(17年3月)を控え、夕張市はこれら施設の売却先として17年1月下旬に中国人がオーナーを務める東京都の不動産事業者を選定。新たな運営会社として元大夕張リゾート(北海道夕張市)が設立され、元大夕張リゾートが夕張市より4施設および同社株式を取得することとなった。

同社をめぐっては紆余(うよ)曲折をたどり、19年3月に香港系ファンドであるGreat Trend(H.K.)Limitedへ経営が移譲された。この間の宿泊3施設の年間宿泊客は平均9万―10万人、スキー場の年間利用者は約5万人、宿泊客に占めるインバウンドの割合は平均40%となっていた。

20年に入り新型コロナウイルスの感染拡大が進むなかで2月末に北海道で緊急事態宣言が発出された。これに伴い、予約客のキャンセルが相次ぐなど利用客が激減、20年3月期の年売上高は前期比22%減の約9億6700万円に落ち込み、約9000万円の最終赤字を余儀なくされた。

こうしたなかで迎えた今冬の観光シーズン。感染防止対策を行いながら営業再開を目指したが、新型コロナ第3波の本格到来で厳しい状況に追い込まれた。国内の金融機関に融資要請を行うなどしたものの資金調達は難航、負債約4億6833万円を抱えて自己破産の申請に至った。

(文=帝国データバンク情報部)

日刊工業新聞2021年3月23日

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