ルネサス火災で経産省が支援検討、製造装置などの調達で

「車載用以外の製品の稼働にしわ寄せが来て、全体的な負荷がかかる」

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ルネサスエレクトロニクス那珂工場の火災現場(同社提供)

19日に発生したルネサスエレクトロニクス那珂工場(茨城県ひたちなか市)の火災を受け、半導体業界を所管する経済産業省が復旧への調達支援の検討に乗り出すことが分かった。出火元となったクリーンルームや損傷した製造装置など、今後の復旧で必要部分を中心に中長期的な稼働率の推移を軸に見極めた上で具体的な支援策に動く方向で進める。

調達支援については、今回の火災で焼失した製造装置を中心に精査する。経産省担当者は、今回の火災で焼失した製造装置のうち一部は代替できるとみているが、「車載用以外の製品の稼働にしわ寄せが来て、全体的な負荷がかかる」とし、中長期的な推移を見た上で具体的な支援に乗り出す方向で検討している。

ルネサス側が示す1カ月の再開めどについては「東日本大震災や熊本地震の経験も踏まえ、自動車メーカーなど取引先も巻き込んで一丸で進む」(経産省担当者)との認識を示す一方、世界的な半導体不足の状況で起きた事故に長期的な需給の不安定化を懸念する。

さらに、加藤勝信官房長官は22日の会見で、半導体の世界的な不足状況を踏まえて「サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化等さらなる対策強化の検討を行っていきたい」と述べた。半導体は「自動車から家電、コンピューターとあらゆる機器に使われ、経済社会を支える極めて重要な基盤部品だ」とし、供給のさらなる安定化に取り組む考えを示した。

ルネサスエレクトロニクスの半導体工場で起きた火災事故の影響に関する記者の質問に答えた。政府は従来もサプライチェーン補助金や、先端的な半導体の技術開発に対する資金支援を通じ、国内半導体工場の増強や、海外半導体メーカーの研究開発拠点の誘致に取り組んできた。今回の火災も踏まえ、こうした取り組みをさらに加速させる構えだ。

日刊工業新聞2021年3月23日

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