小林化工や日医工…。問題相次ぐジェネリック医薬品業界、信頼回復の道筋は?

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写真はイメージ

ジェネリック医薬品(後発薬)の国内数量シェアが拡大する中、医薬品の安全対策が課題視される。後発薬大手の日医工は、富山第一工場(富山県滑川市)において国が定める基準から外れて製造した製品を自主回収し、28日までの24日間、富山県から業務停止命令を受けた。数量シェア拡大の裏で、品質管理が追いついていなかった可能性がある。信頼回復に向けた業界の動きに注目が集まる。(大阪・中野恵美子)

後発薬の2020年7―9月における国内数量シェアは78・9%に達し、政府目標の80%が目前に迫る。後発薬は先発薬に比べて薬価が低く、医療費削減につながるとシェア拡大が急がれてきた。後発薬メーカー各社は安定供給に向けた増産投資や原料調達のダブルソース化などに取り組む。

ただ、市場環境は厳しい。21年度の薬価改定で、後発薬は全体の83%にあたる8200品目を対象に薬価が引き下げられる。また従来2年に1度だった改定は政府方針で21年度から毎年実施となる。今後、国内での後発薬市場は頭打ちとなり、業界再編や海外進出、新規事業への参入の機運が高まっている。

その中で、12月に小林化工の製剤による健康被害が発生した。水虫治療薬に、本来の有効成分とは異なる睡眠剤成分が混入していた。小林広幸社長は「ダブルチェックが行えていなかった。(本来投入する薬と間違えた薬は)判別でき、一般には取り違えは起こらない」と説明。同社は2月、福井県から過去最長となる116日の業務停止処分を受けた。

3月には、日医工が業務停止命令を受けたと発表。同社の田村友一社長は「成長拡大のために人材確保や設備投資を行ってきたが、現状施設への負担が集中し、人材育成が追いついていなかった」とする。

こうした品質問題事例を踏まえ、後発薬の安定供給や数量シェア拡大の後退も懸念される。各社は品質管理の見直しに加え、回収品の代替となる医薬品の生産対応をとらなければならない。後発薬ユーザーが先発薬へ流れることも考えられる。個別企業としてのコンプライアンス(法令順守)欠如が問題視される一方、現行の薬価制度と医薬品の安定供給との両立に関する課題が浮き彫りとなった。

「(薬価引き下げの影響で)社内システムを刷新しようとしても、原資を確保することが困難になる。安定供給を実現する会社は報われる制度に近づけていかなくてはならない」(後発薬大手首脳)との指摘もある。厳しい事業環境における打開策が注視される。

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