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ニコンが移動型作業ロボット用のハンドカメラ開発、500分の1秒で撮影し高速画像処理

ニコンが移動型作業ロボット用のハンドカメラ開発、500分の1秒で撮影し高速画像処理

高速ビジュアルフィードバックカメラの試作機

ニコンは移動型作業ロボット(モバイルマニピュレーター)の高速画像制御を可能にするハンドカメラを開発した。500分の1秒で撮影し、その画像データを処理してロボットハンドの手元の位置ずれなどを制御する。画像処理とロボット制御の組み合わせで、1秒間に100回の信号を送る100ヘルツでの制御を確認した。適用する作業に合わせて画像処理などを調整することで、今後500ヘルツでの高速制御ロボットに提案する。

三つのカメラとプロジェクターをロボットハンドに載せた。カメラは2次元(2D)画像を撮るものが1台、ステレオ視で3次元(3D)情報をとるカメラが2台になる。例えば2D情報を撮る際には赤い照明をともし、3D情報は別の波長でとる。カラーフィルターと照明の組み合わせで計測を切り替える。

2次元コードを使った加工対象物(ワーク)の認識では、タグの位置と向きの6軸情報をとりつつ、ロボットハンドを制御する。撮影から制御、動作を毎秒100回のペースで繰り返す。バラ積みからのピッキングや移動対象への加工を認識、制御するのに適している。カメラの性能は毎秒500回計測できるため、負荷の軽い画像処理と高速アクチュエーターを組み合わせると高速フィードバック制御が可能になる。

こうした制御はモバイルマニピュレーターの重要技術。コロナ禍で導入検討が増えたが、一度ロボットが静止し位置を計測し直してから腕を伸ばすため、作業効率に課題がある。人間が歩きながら部品をピッキングするような作業には、ロボットハンドの手元の位置ずれなどを微調整する必要があった。

日刊工業新聞2020年3月10日

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