本社内に2500のビーコン設置で交流分析、三井物産が実践する働き方改革をコンサル

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協働やコミュニケーションの促進につながるオフィス環境の構築を提案していく

三井物産は、2020年に移転した新本社での働き方改革を通じて得た経験やノウハウ、知見を「Work―X+(ワークエックス・プラス)」としてまとめ、コンサルティング事業を始めた。コロナ後のニューノーマル(新常態)でのオフィスは、偶発的な出会いやコラボレーション(協働)を通じた価値創造の場として見直されると想定。実証データなども提供していく。既に契約を受注しており、新規顧客も開拓する。(浅海宏規)

三井物産は本社移転の際、協働やコミュニケーションの促進、機動的な働き方、デジタルの活用といったテーマを見据え、オフィスのコンセプト、デザイン、仕掛け、オペレーション、導入効果などをトータルで検討した。その方式はコロナ後の新常態のオフィス作りに参考になるとしている。

本社内には約2500個のビーコン(小型発信器)を設置。3メートル以内に10分以上いた場合を1接触とカウントし、部門を超えた連携をはじめ、社内外でどのような交流が生まれたかを分析している。

在宅勤務中にメールや会議などオンライン上で接触した時間も比較し、各事業部門に配置している“Work―Xアンバサダー”を通じて縦割り組織からの脱却を図っている。「新しいモノをつくろうとする時や組織に新しい社員が入った際など、チームビルディングが大事になる」と小野川貴ヘルスケア・サービス事業本部サービス事業部ファシリティサービス事業室長はその狙いを説明する。

オリジナルのアプリも開発した。オフィスがエリアごとにどれだけ利用されているかをスマートフォンで可視化し「人が動いた先にどれだけの効果が生まれたかを検証」(小野川室長)している。

新本社は組織ごとのグループアドレスを導入し、固定電話を廃止。フロア内の執務座席は減らす一方、コミュニケーションエリア「キャンプ」を設置した。キャンプは議論する場や集中して取り組む場などとフロアごとにコンセプトを変えた。

キャンプでは階ごとに設置した飲み物の種類を変えるなど、内階段を利用して上下階の移動を促し、そこで会った同僚と交流につなげる工夫を施した。

Work―X+では「事業戦略やあるべき姿といったコンセプトからオフィスのデザイン、行動変容を促す仕掛け、オペレーション、効果検証を一貫して提供していく」(同室の桑原崇室長補佐)。

より快適な職場環境の構築は、どの業種にとっても共通の課題だ。フードサービスや設備管理、エネルギーなど「複合的なサービスを提供できる総合商社ならではの強み」(同室の木村庸平氏)を生かし、Work―X+のコンサル・サービス普及を目指す。

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