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編み方は日・米・中・仏で特許を取得した独自技術! 生産現場を支える「疲れしらずのくつした」

編み方は日・米・中・仏で特許を取得した独自技術! 生産現場を支える「疲れしらずのくつした」

高いクッション性と耐久性を持つ「疲れしらずのくつした」

特殊編みで緩衝性・強度向上

高機能靴下を手がける西垣靴下(奈良県大和高田市、西垣和俊社長、0745・52・0088)。一般的な靴下と異なり土踏まずの形に合わせた左右非対称のデザインで、足の筋肉の働きを補助するなど特殊な編み方の独自技術を持つ。

2019年4月に高いクッション性と耐久性を兼ね備えた「疲れしらずのくつした」を発売した。販売子会社エコノレッグ(奈良県大和高田市)の売り上げの約1割を占める。西垣社長は「発売から1年以上たっている商品では珍しい」と話す。

疲れしらずのくつしたはモノづくり企業の情報発信を支援する大阪ケイオス(大阪市西区)と共同開発した。工場で働く人向けの丈夫で疲れにくい靴下が商品コンセプトだ。

一般的に衝撃を緩和し、足が疲れにくい編み方として「パイル編み」がある。ただ、パイル編みはすぐ破れてしまう課題があり、独自の「新クッション編み」を生み出した。

新クッション編みはカットボス編みを足底に入れることでクッション効果と強度を増している。自社製パイル編み製品と比べ約2倍の衝撃緩和効果と約10倍の強度を持つ。疲れを軽減するテーピング編みや編み込みの滑り止めも施した。

試作品のモニター調査では立ち仕事が多い女性などから反響が大きかった。これを受けて色の種類を当初の3色から6色に変更。靴下の形状も足先が丸い型と足袋型に種類を増やし、日常生活でも履きやすい仕様にした。

18年9―12月のテスト販売では約93万円の売り上げだったが、20年には約1300万円に伸長した。西垣社長は「大手企業のように広告などで伸びているわけではない。履きやすさで支持を得られている」と自負する。

疲れしらずのくつしたは20年度近畿地方発明表彰で近畿経済産業局長賞を受賞した。同賞で衣料品が受賞するのは初という。新クッション編みは日本以外に米国・中国・フランスでも特許を取得し、22年には欧州の展示会へ出展を予定。世界販売に向けて準備を進める。(東大阪・新庄悠)

日刊工業新聞2021年3月9日

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