オフィスコーヒーサービスのダイオーズ、新サーバーで「中小企業から海外」まで狙う
オフィスコーヒーサービス(OCS)事業を手がけるダイオーズは、“スペシャリティーコーヒー”の海外販売も想定し、製品の付加価値向上に努める。水や緑茶などコーヒー以外の飲料を提供するサーバーの新製品も投入。中小企業など新たな顧客層の獲得も狙う。(森下晃行)
「近年、風味豊かで高品質なスペシャリティーコーヒーの需要が高まっている」とダイオーズの大久保真一社長は指摘する。同社は約40年前、米国で主流だったOCSを日本で初めて展開した。長らくBツーB市場でコーヒーを提供してきた経験から「オフィス飲料の本格志向が加速している」と分析する。
2020年10月には、コーヒーの抽出技術を競う16年の世界大会でアジア人初の世界制覇を成し遂げた粕谷哲氏と共同開発したスペシャリティーコーヒーを発売した。
産地を限定した希少な豆のみを利用し、サーバーで提供できるよう抽出時の温度や時間を調整。人の手による場合と遜色のない風味を提供できるという。大久保社長は「カフェで1杯500円以上するものと同じクオリティーのコーヒーがオフィスにいながらにして飲める」と強調する。従業員への福利厚生の一環として導入する企業が多いという。
「粕谷氏はアジアでも有名」と大久保社長。現在は国内販売だけだが、香港やシンガポールなどでの販売も視野に入れる。
同社はサーバーでも新製品「TEATRO(ティアトロ)」を昨秋発売した。このサーバーはコーヒーに加え、緑茶や紅茶、水などさまざまな飲料を1台で提供する。
「主に中小企業がターゲットの製品」(大久保社長)で、お茶などの粉末原料と機器のメンテナンスにかかる料金のみを支払うサブスクリプション方式を採用。飲料の消費量によって異なるが、月額1万円程度の低価格で導入できるという。同社長は「将来的にはこの製品もアジア展開していきたい」としている。