原田工業が欧州事業の体制を刷新!自動運転やつながる車の進展に備える
原田工業は自動運転やコネクテッドカー(つながる車)の進展に備え、欧州事業の体制を刷新する。3月末に営業と開発を担う拠点をドイツに新設する。英国にある研究開発センターは閉鎖する。顧客が多い欧州の大陸側の拠点機能を充実し、事業強化につなげる。同社は車載アンテナで業界トップシェア。今後、自動運転やコネクテッドカーに不可欠な車載アンテナの需要拡大を想定し、欧州事業の体制を整える。
ドイツ西部のケルンに新拠点を設ける。従業員は、10人強を配置する予定。欧州の販売会社ハラダ・インダストリーズ・ヨーロッパ(英国)の支店として運用する。ドイツには現在、顧客への連絡機能としての事務所がある。
原田工業の欧州における研究開発拠点ハラダ・ヨーロッパ・R&Dセンター(英国)は3月末で閉鎖する。開発機能はドイツの新拠点に移管する。
欧州事業の体制変更で顧客との連携を強める。原田工業は全ての日系自動車メーカーや米ビッグ3、欧州メーカーなどと取引している。拡大する欧州地域の需要の取り込みを狙う。
CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)といった自動車の新しい技術潮流の中で、自動運転やコネクテッドカーの実現には車載アンテナが欠かせない。第5世代通信(5G)の活用が進むと、車1台当たりのアンテナ搭載数もさらに増える。
原田工業は成長市場と成熟市場の両方でシェア拡大を進める。今回の欧州体制の強化などを通して、グローバルでの製品対応力を高めていく方針だ。
日刊工業新聞2020年3月3日