泉佐野市のタオル企業が挑戦、工場排水の無害化技術を農業と養殖に

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タオル製造後の処理水プールを来年度中に増設する

スマイリーアース(大阪府泉佐野市、奥龍将社長、072・450・2018)は、タオルの製造で発生した処理水を活用して、有機農業と養殖業への参入を目指す。2021年度中に処理水の貯水プールを二つ増設し、貯水容量を5―6トンに拡大する。タオルの製造を通じて水や土壌のエコシステムを構築し、循環型社会を実現する狙いだ。

同社は18年に製造過程で発生する工場排水を無害化する技術「自浄清綿法(じじょうせいめんほう)」を開発し、特許を取得した。無害化した処理水を貯水するプールを製造し、メダカやヌマエビの養殖に成功。本格的な魚の養殖へ挑戦することにした。

既に同社では保有する里山の間伐材を活用したバイオマス発電を実施。タオルの洗浄、乾燥など工場内で使用する熱源は全てバイオマスエネルギーでまかない、二酸化炭素(CO2)排出量削減に貢献。熱源にできない間伐材の利活用を推進するため、土壌改良材の開発にも着手し、将来の有機農業に生かす。

明治20年代からタオル産業で栄えた泉佐野市は、高度経済成長を期に生産量は激減し、98年には同市の河川で深刻な水質汚染が問題となった。持続可能な開発目標(SDGs)への意識が高まる中、従来のタオル産業のイメージを払拭(ふっしょく)し持続可能な産業に変革する狙いがある。スマイリーアースは08年に創業。ウガンダ共和国からオーガニックコットンを仕入れてタオルを製造し、ウェブサイトと店舗で販売している。

日刊工業新聞2021年3月2日

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