シャープがiPhone向けカメラモジュール事業を分社化する狙い
シャープはカメラモジュール事業を4月1日に分社化する。社名はシャープセンシングテクノロジー。米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けに供給する。本社は天理事業所(奈良県天理市)内に置く。経営責任を明確にして事業競争力を強化する。新会社の社長には藤田直哉カメラモジュール事業本部長が就任。天理事業所と福山事業所(広島県福山市)で設計開発し、ベトナム工場で生産する。
また、親会社の鴻海精密工業グループの役員や従業員で構成する投資会社が、保有しているシャープの種類株式を26日付で普通株式に転換する。出資比率は13%になる。「同投資会社は経営陣の意思決定と一体化されたものではない」(シャープ広報)ため、これによって鴻海グループの出資比率は現在の60・35%から52・5%に下がるという。
15日までに予定していた20年4―12月期決算発表は、子会社カンタツの不適切会計問題の影響により、延期の可能性があるとした。
日刊工業新聞2021年2月8日