ソニーがアップルのHMDにディスプレー供給。新たな収益の柱に

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ソニーのマイクロディスプレーが、米アップルから2021年にも発売される予定のヘッドマウントディスプレー(HMD)に採用されることが分かった。米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染拡大により、稼ぎ頭のイメージセンサー事業は逆風が吹く。年間数千万台の販売を見込むアップルの“モンスター商品”への部品供給はソニーの新たな収益の柱になりそうだ。

ソニーが受注したのは有機ELパネルを用いたマイクロディスプレーとみられる。高画質や小型軽量が特徴で、デジタルカメラのファインダー向けで実績が多い。新規用途の拡張現実(AR)・仮想現実(VR)対応HMDはディスプレーに表示した映像を光学技術を使って目の前のレンズに投射する仕組み。

ここ数年間、アップルによるHMD開発のうわさは流れていたものの、同社はその開発を公式に認めていない。ただ、アップルの戦略商品の販売規模は桁違い。主力のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の付属品として、ワイヤレスイヤホン「エアポッズ」と腕時計型端末「アップルウオッチ」が好調だ。

米ストラテジー・アナリティクスによると、19年の販売はアップルウオッチが約3070万台、エアポッズが約6000万台。アップルがHMDを新たに発売すれば年間数千万台の売り上げが予想される。ソニーは工場の生産能力増強が必要になる可能性がある。

HMD向けディスプレーではジャパンディスプレイ(JDI)も液晶パネルを用いた製品を手がける。AR・VRという成長分野で、日本メーカーの存在感が再び増している。

日刊工業新聞2020年10月19日

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