脳活動が見えるデバイス!東海光学がブレインテックに参入

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ヘッドセット型の脳活動計測デバイス「トウカイオーブ」

ビジネスモデル確立目指す

欧米やイスラエルを中心に活用が進む脳科学をマーケティングなどに生かす「ブレインテック(脳活動の見える化)」に、眼鏡レンズ大手の東海光学(愛知県岡崎市、古沢宏和社長、0564・27・3000)が乗り出した。2020年11月に発売した研究機関向け脳活動計測デバイスを皮切りに、製品群の拡充や他社と製品開発で協業するビジネスモデルの確立を目指す。これにより、26年までに脳科学事業を売上高5億円までに成長させたい考えだ。

東海光学の脳活動計測デバイス「TOKAI Orb(トウカイオーブ)」は、ヘッドセット型の脳波計。耳や額あたりの余裕があるため、眼鏡などを着用した状態での計測が容易だ。計測した脳波は近距離無線通信「ブルートゥース」でパソコンに送信する。充電式で約5時間まで連続計測できる。

同社と脳科学が交わるきっかけと言えるのが遠近両用眼鏡レンズ「ベルーナレゾナス」だ。視覚と脳は関わっているという考えで、00年ごろから眼鏡レンズの開発に脳科学を取り入れ、08年に市場投入した。通常、見えやすさや視覚に与えるストレスなどの測定は被験者の感想など主観的な評価になりやすい。だが、脳科学を用いると客観的な指標として眼鏡レンズの良しあしを見える化できる。これまでに、29種類の製品開発で脳科学の知見を活用した。

16年には蓄積した知見を新たなビジネスへ生かすため、古沢社長肝いりの独立した部署として「脳科学推進室」を立ち上げた。同室を中心に、内閣府の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」による共同開発や脳波計などの製品開発を進めてきた。

苦節10年の末にようやく芽ばえた事業に古沢社長は「『脳科学といえば東海光学』を目指したい」と期待を寄せる。同社が柱とする眼鏡レンズと派生事業として生まれた光学薄膜に次ぐ第3の柱として脳科学が確立する日が待ち遠しい。(名古屋・永原尚大)

日刊工業新聞2020年2月5日

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東海光学

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