日本初! 慶応大がバイオ実験をロボットで実習、次世代研究の“当たり前"を作る

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米オープントロンの次世代DNAシーケンサー用の前処理セット

慶応義塾大学は、ロボットプログラミングを使った科学実験の実習を2021年度に始める。生命科学の実験をオープンソースの3軸ロボットを使って学ぶ。通常、バイオ実験は人間がピペットを繰って作業してきた。ロボットを前提とする実習は日本初とみられる。ロボットやプログラミングを前提とする世代の研究のあり方を身に付ける。

環境情報学部の学部生に向けて開講する。大学に入り研究や実験に初めて触れる段階で学ぶことで、ロボットやプログラミングを当たり前に選べる実験ツールにする。

3軸ロボットは米国のオープントロンを想定する。同機は米国では5000ドル(約52万円)で、電動ピペットや恒温槽などモジュールを買い足してシステムを構築する。核酸の精製処理は9450ドル(約98万円)で、実験プロトコルは自身でプログラムし、オープンソースとして共有できる。

バイオや化学などのウェット系と呼ばれる研究分野では研究者や学生は人の手で実験することが多い。分注などの作業が多様なためで、同じ実験プロトコルでも液体試料を液面から吸い取るか、底から吸い取るかなどの細かな違いが無数にある。実際に、こうした細かな差異で培養細胞の育ち具合が変わる。これが暗黙知になってしまい、実験作業を記述しきれないという問題があった。

ロボットを前提とすると自動化の際に作業が見直され、他機で再現可能な実験プロトコルになる。実験ノウハウの共有など、研究室運営や研究活動が変わりうる。

日刊工業新聞2021年1月27日

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