日本のテレワーク率は2割前後で定着する?緊急事態宣言下の実施率が上向かず
日本生産性本部が1月に実施した「働く人の意識調査」によると、テレワークの実施率は22・0%だった。2020年7月、同10月の調査と比べてほぼ横ばいで、「日本のテレワーク率は2割前後で定着する様相だ」という。緊急事態宣言の再発出に伴い、政府はテレワークの推進などを通じて出勤者の7割削減という方針を示しているが、「この目標の実現には大きな困難が伴う」としている。
調査期間は、1都3県に2回目の緊急事態宣言が発出された直後の1月12―13日。20歳以上の日本の雇用者1100人を対象にインターネットで行った。新型コロナウイルス感染症が拡大してから継続的に実施しており、20年5月、7月、10月に続き4回目となる。
今回のテレワークの実施率は10月調査の18・9%から増加したが「優位な差は確認できず、テレワーカーが統計的に増加したとは言えない」とした。7月調査は20・2%、5月調査は31・5%だった。1月調査の1都3県とそれ以外の地域の実施率はそれぞれ32・7%、14・6%だった。
テレワークの課題を複数回答で質問したところ「ワイファイなど通信環境の整備」「部屋、机、椅子、照明など物理的環境の整備」といった自宅の環境整備に関わるものが上位にきた。20年5月調査から一貫した傾向で「改善の兆しは見えない」とした。その上で「家庭の物理的環境の改善には時間がかかり、限界もあるので、郊外に共用のサテライトオフィスやコワーキングスペースを普及することが拡大のカギになるだろう」とした。
日刊工業新聞2021年1月25日