「デジタル技術でコスト低減。ここが1丁目1番地」。ファミマの新社長、細見氏はどんな人?
ファミリーマートは18日、次期社長に内定している細見研介氏(伊藤忠商事執行役員)の就任会見を初めて開いた。ファミマは2021年、設立40周年を迎える。細見氏は「次の40年の持続的な成長に向け確実に一歩を踏み出し、礎を築くことが私の使命」と抱負を述べた。
細見氏は3月1日付で社長に就任する。ファミマは20年11月に伊藤忠の完全子会社となった。伊藤忠で消費者関連の次世代ビジネス事業を担当してきた細見氏が陣頭指揮を執り、デジタル技術を活用した店舗運営の省力化によるコスト削減、新サービス開発などを進め収益改善を図る。
同席した沢田貴司社長は「布陣を強化して良い会社にする」とバトンを託した。
危機感バネにデジタル化
新型コロナウイルスによる消費行動の変化に翻弄(ほんろう)されるコンビニエンス業界。ファミリーマートも来店客減少による売り上げ減で苦戦が続く。
細見研介次期社長は「嵐の中の船出。『稼ぐ・削る・防ぐ』の観点から整理する」。最初に実行するのは削る部分に当たるグループ全体でのサプライチェーン(供給網)再構築だ。「デジタル技術を駆使しコスト低減を図る。ここが1丁目1番地」と説く。デジタル化を重要視する背景には伊藤忠商事での経験がある。30年携わった繊維業界は、デジタル化が最初に現れた業界なのだという。「その波はあらゆる業界に飛び込んでくる。危機感をバネにスピード感を持って経営判断をしていく」考えだ。
社内外からは「良く気が付く、気さくな人」との声が多い。趣味は美術館巡りや料理。(編集委員・丸山美和)
日刊工業新聞2021年1月19日