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空き駐車場にキッチンカー、コロナ禍で苦境の飲食店を救うか

空き駐車場にキッチンカー、コロナ禍で苦境の飲食店を救うか

住宅街の空き駐車場を活用したキッチンカーの実証実験

akippa(大阪市浪速区、金谷元気社長、06・4393・8425)は1月中旬にも、新型コロナウイルス感染拡大の影響で打撃を受ける飲食店などの販売支援に乗り出す。空き駐車場を活用してキッチンカーの物販を支援する事業「akippaマルシェ」を東京都と大阪府を中心に始め、春頃に他地域へ広げる。販売機会が減少する飲食店などの売り上げ創出を支援。年内に約1000事業者の利用を目指す。

akippaが駐車場シェアリングで提携する駐車場拠点数は全国約4万カ所。駐車場所有者の同意を得た上で物販事業が可能な駐車場を確保し、キッチンカー用地として貸し出す。利用料は立地や電源環境などの条件によって異なるが、1台当たり1日2000―3000円程度を想定。オフィス街などの出店料の相場が5000円程度であることを考慮し安価に抑える。

田中大貴フェロー・エバンジェリストは「飲食店の売り上げはどこも厳しく、事業化はスピード勝負になる」と強調。早期のスキーム構築を目指す。

同社は4月の緊急事態宣言時に消費者の密を避けるため、屋外駐車場を利用した野菜販売支援の実証実験に着手。その後多くの事業者からの問い合わせを踏まえ、12月に第2弾としてキッチンカーの実証実験を始めた。

実証に参加したカラビナフードワークス(大阪市西区)の田中康晴統括部長は「キッチンカー事業は初の試みだ」と説明。同社は同北区を中心に複数の飲食店運営を手がける。消費者の外出自粛や営業時間短縮の影響により20年の売り上げは前年比4割まで落ち込む見通しだ。時短エリア以外の住宅街を対象としたキッチンカー事業や移動式レストラン事業に挑戦し、売り上げの早期回復を目指す。

日刊工業新聞2021年1月11日

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