伊藤忠TC建機がレンテック大敬と資本提携へ、その狙いは?
伊藤忠TC建機(東京都中央区、成沢信彦社長)は、レンテック大敬(愛知県豊橋市)と資本業務提携する方針を固めた。月内にもレンテック大敬の第三者割当増資を引き受け、情報通信技術(ICT)建機の導入や業務のIT化を推進していくのが狙い。出資額は非公開だが、株式の20%を取得。これにより、出資比率は大敬ホールディングスが80%、伊藤忠TC建機が20%となる見通し。
レンテック大敬は1972年の設立。愛知県や岐阜県など中京圏を中心に建設機械や仮設資材のレンタル、メンテナンスサービス工場、イベントやオフィス用品のレンタルなどを展開している。伊藤忠グループは、建設機械領域でレンタルやアフターサービス、中古販売といった「川下領域」に注力している。
伊藤忠TC建機は2019年春、中古建機のオンライン販売プラットフォーム運営のソラビト(東京都中央区)に出資。最近では、建設現場のデジタル変革(DX)や自動化を進める東京大学発スタートアップ、ARAV(東京都文京区)と開発業務契約を結んでいる。
伊藤忠TC建機に50%出資する伊藤忠商事においても、20年春にオンラインでの建機レンタル事業を手がける米ビッグレンツ(カリフォルニア州)に出資した。ビッグレンツは、自社開発のプラットフォームを用いて建機の予約から支払い、取引管理までを一貫して行えるシステムを手がける。
伊藤忠TC建機は今回、建機レンタルビジネスでリアル店舗や工場を展開するレンテック大敬と連携することで、顧客ニーズに沿ったサービスの開発やデジタル技術を活用した建設資材流通の効率化などにも取り組んでいく考えだ。
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日刊工業新聞2020年12月25日