新型コロナの創薬研究にも!文科省が「クライオ電子顕微鏡」導入支援に予算

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文部科学省は、生体内にあるたんぱく質などの立体構造を組織が生きた状態のまま高精細に調べられる「クライオ電子顕微鏡」を使った研究体制の整備を加速する。自動化・遠隔化技術の開発向けなど、計6台を大学などに導入する。最適な導入先を日本医療研究開発機構(AMED)が選ぶ。着実な台数の増加と高効率な活用体制の構築で、新型コロナウイルス感染症や創薬研究のための構造解析に向けた基盤構築を早期に実現する。

創薬研究に構造情報は必須で、世界中でクライオ電顕による解析競争が激化している。国内には創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業を通じて利用できるクライオ電顕が計17台あるが、台数は米国や中国に大きく水をあけられている。

クライオ電顕を使った解析には測定試料の事前調製に精緻な作業と膨大な労力が必要になり、たんぱく質の構造決定は日本に限らず3カ月待ちとされる。自動化が実現すれば、下処理などにかかる回数や時間の大幅な改善が期待できる。遠隔化が可能になればパンデミック(世界的大流行)のような状況でも研究が継続できる。

そこで文科省は2020年度第3次補正予算案に32億円を計上。自動化・遠隔化技術を企業と共同開発する。300キロ電子ボルトの本測定用ハイエンド機1台と200キロ電子ボルトの予備測定用スクリーニング機1台を2拠点にそれぞれ整備する。このほかハイエンド機1台、スクリーニング機1台を整備する。

日刊工業新聞2020年12月18日

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