「元祖紅いもタルト」がコロナ対策で一手、土産品需要減による在庫解消急ぐ
御菓子御殿(沖縄県読谷村、澤岻英樹社長、098・958・7333)は、「元祖紅いもタルト=写真」などの原料に使うイモのペーストを全国に拡販する。ペースト単体で積極的に外販するのは初。新型コロナウイルス感染拡大による土産品需要の落ち込みで、原料在庫が通常の4倍に当たる約200トンに積み上がっているため、うち50トンを外販に振り向ける。収穫期に入ったため在庫解消を急ぐ。
御菓子御殿は地域貢献を目的に希望する農家からイモを全面的に買い取ってきた。だが菓子製品の供給が滞る中で原料の在庫が増えたため小口調達を止めている。買い取り全面再開に向けて在庫の流動性を高める。
ペーストは県内外の法人・個人を対象に5キログラム1パック単位で販売する。1ロットは3袋入り15キログラム。価格は1キログラム当たり650円(消費税抜き)。継続的な取引となる場合は割引も想定する。送料はいずれも購入者負担となる。
ペーストはイモを蒸し、裏ごしして冷凍した状態。調味はしていない。各産地の同一品種のイモを混合し、味にばらつきはないという。菓子に使う場合は砂糖などで味付けしている。紅イモを含めた沖縄産のサツマイモ類は病害虫まん延防止のため、生での県外移出が法律で禁じられている。
日刊工業新聞2020年11月30日