協同工芸社が感染防止器具の工場を新設、インフルエンザも迫る冬の市場ニーズに対応
協同工芸社(千葉市美浜区、箕輪晃社長、043・242・1675)は、PCR検査用ボックスの生産能力を3倍に引き上げる。他社工場の建屋を買い上げ、千葉市美浜区内の新港工業団地に飛沫(ひまつ)感染防止器具製造専用の新工場を設置する。11月の稼働を目指す。新型コロナウイルスに加え、冬場に向けてインフルエンザの発生が予測されており、国内外の需要に応える。全社の売上高で23億円(2019年12月期は19億6000万円)を目指す。
協同工芸社の新工場は敷地面積330平方メートル、2階建てで延べ床面積は225平方メートル。総投資額は1億3200万円。経済産業省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」で受ける予定の5860万円を活用する。
同社は、看板やデザイン表札などの製造・販売を手がける。20年4月から医療現場向けエアロゾルボックスやPCR検査用ボックスなど飛沫感染防止器具の製造事業に参入した。
これまで既存の工場の空きスペースで製造してきたが、新型コロナウイルス感染拡大に収束の兆しが見えないことや、冬のインフルエンザ対策のために増加している市場ニーズに対応するため、飛沫感染防止器具製品製造の専用工場の建設を決めた。
現在、PCR検査用ボックスなど飛沫感染防止器具は月に約100台の需要があるが、冬季は3倍程度に膨らむと予想し、11月からの3カ月だけでも同器具の売上高で1億円を見込む。
日刊工業新聞2020年10月6日