フィンテック誘致で東京と大阪が競う!国際金融センターの行方は?
東京都は、フィンテック(金融とITの融合)スタートアップを支援するファンドを立ち上げる。都は「国際金融都市・東京」構想の中でフィンテック産業の育成を柱に掲げており、ファンドをその重要なツールとする。大阪でも官民でフィンテック分野のスタートアップ育成や誘致などに乗り出す。日本に金融センターをつくる国際金融都市構想が浮上する中、地域でのフィンテック誘致が活発化している。
東京都のファンドは「ディープ・テック・ファンド」(仮称)。都が2億円を出資し、2021年度中に立ち上げる予定。都の出資金を呼び水に、民間投資家の資金を集めて創設する。ファンドの運営は企業に委託する。都内に本店登記しているか、主要な活動拠点を置いている有望なスタートアップに出資する予定。
「国際金融都市・東京」構想に沿って実施している、優れた金融系企業を表彰する「東京金融賞」の受賞企業にもフィンテックのスタートアップがあり、フィンテックを主な投資先とするファンド立ち上げを決めた。
一方、大阪府も国際金融都市の形成に向けて官民の推進組織を21年春に設立。年内にも関西経済連合会など3経済団体と準備組織を立ち上げる。規制緩和や実証実験支援をテコに、フィンテック企業を呼び込みたい考え。
大阪商工会議所は大阪取引所と連携し、21年度にもデジタル通貨やブロックチェーンなどの技術を持つスタートアップを支援できる体制や、実証実験の場などを用意し、産業育成と国際金融都市構想へとつなげる。
日刊工業新聞2020年11月26日