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SUSがタイ産アルミ部材の約3割を国内回帰する理由

SUSがタイ産アルミ部材の約3割を国内回帰する理由

SUS公式ページより

SUS(静岡市駿河区、石田保夫社長、054・202・2000)は、タイのランプーン工場で生産する工場自動化(FA)用アルミニウム部材のうち、3分の1(販売金額ベース)を国内生産に切り替える。需要変動や新型コロナウイルス感染拡大のリスクに対応するため、生産の国内回帰を促進する。タイからの移管分の受け皿として静岡事業所(静岡県菊川市=写真)内に新工場を建設する。国内生産体制を増強し、巻き返しを図る。

新型コロナ感染拡大の影響から海外市場での需要減少が響き、2021年2月期は前期比約6%減の連結売上高240億円を予想する。需要そのものは5月を底に回復基調を取り戻しつつあり、9月は前年同月比で微増。ただ、海外売り上げの半分を占めるタイでは政情不安など懸念材料があるため、生産拠点としての位置付けを見直すことにした。

同社では国内回帰など生産体制の見直しを進めることにより、23年2月期は同300億円を目指す。

ランプーン工場はアルミアクセサリー、アルミフレームなどを生産。現地販売会社を通じた売り上げは約20億円。日本に移管しない現地生産分は従来通り、日本に輸出する。

静岡事業所内の新工場は、延べ床面積1200平方メートル。投資額は約5億円。タイからアルミアクセサリーパーツなど機械加工品を移管し、21年3月稼働を目指す。また、福島事業所(福島県須賀川市)にアルミフレーム生産を移管する。

3年間で10億円を投じ、国内工場は自動化を推進。併せて、病院内の搬送用途で医療設備システム「メディサス」を本格展開し、3年後に10億円の売り上げを目指すなど新規分野開拓も加速する。

日刊工業新聞2020年10月21日

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