経営再建中のパイオニア…車載製品、国内回帰の狙い

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高付加価値製品の生産をタイから国内に移管する(パイオニア・川越事業所)

パイオニアはカーナビゲーションシステムなどの車載製品について、国内の新車向けに行っているOEM(相手先ブランド)生産をタイから国内での生産に切り替える。付加価値の高い高機能モデルが中心。コスト偏重の生産から、需要変動やカントリーリスクを重視した体制に改める。徐々にタイから国内への生産移管を進めており、2022年をめどに完了させる計画。

タイの生産子会社「パイオニア・マニュファクチャリング(タイランド)」から、川越事業所(埼玉県川越市)にカーナビやディスプレーオーディオ、車載オーディオの高機能モデルの生産を移管する。同事業所では従来から高付加価値製品を生産している。人員や設備は増強せず、既存の生産体制を効率化して対応する。タイでは汎用品を生産する体制を整えており、生産台数の需要増に対応しながら年産600万台規模を維持する。

パイオニアはカーナビ事業の収益が悪化し経営再建中だ。これまで車載事業の生産・売拠点を見直し、再編を進めている。以前は国内の生産拠点を中国やタイなどの新興国にシフトしたが、移管先の経済成長とともに賃金が上昇し、コストメリットが失われつつある。さらに日本への移送でリードタイムが長くなり、余剰在庫を抱えることによるキャッシュフローの悪化も課題だった。

主力生産拠点の川越事業所では、24年までに独コンチネンタルと共同開発する次世代コックピットの量産を計画。年産100万台の生産規模を上積みし、車載事業の立て直しの足がかりにする。

日刊工業新聞2020年6月11日

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