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医師のウイルス感染防ぐ飛沫抑止装置、改良して製品化へ

協同工芸社、医療機関に50台無料提供
医師のウイルス感染防ぐ飛沫抑止装置、改良して製品化へ

麻酔科医師とヒアリングを重ね改良を進めた

協同工芸社(千葉市美浜区、箕輪晃社長、043・242・1675)は、医師の新型コロナウイルス感染を防ぐ装置「エアロゾルボックス」を改良し、製品化した。全国の医療機関に呼びかけ、限定50台(各医療機関につき1台まで)を無料で配布する方針。その後は2万5000円(消費税抜き)で販売していく。

エアロゾルボックスは台湾の頼賢勇医師が開発し、設計図を無償で公開した飛沫(ひまつ)感染抑止装置。新型コロナの感染者に気管挿管などの治療を行う際に、患者の頭部を覆って飛沫による医師の感染を防ぐ。

以前からネットワークのある五井病院(千葉県市原市)と連携し、同病院の加藤良二院長が監修して開発した。飛沫感染のリスクが高いとされる麻酔科医師にヒアリングし、人工呼吸器などのチューブ挿入口の位置決めなどを行い、使い勝手を高めた。ボックスは滅菌消毒する必要があるため分解できる構造にした。アクリル製でサイズは高さ508ミリ×幅510ミリ×奥行き400ミリメートル。

協同工芸社は看板やデザイン表札の製造・販売を手がけており、アクリル板の切削・研磨加工などのノウハウを生かした。箕輪社長は「新型コロナの患者の命を救うために頑張っている医療従事者の感染リスク抑制につながればうれしい」と話す。

日刊工業新聞2020年4月30日

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