15分の作業を5分に短縮、島津が病院の臨床検査向け分析装置で攻める

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検体前処理装置(左)とLCMS(中央と右)

島津製作所は病院での臨床検査に対する液体クロマトグラフ質量分析計(LCMS)の提案本格化に向け、周辺ラインアップを拡充する。検体の煩雑な前処理とLCMSへの供給までを自動化する医薬品医療機器法(薬機法)対応の前処理装置を9月30日に市場投入した。さらに1―2年以内に病院情報システムと連携するソフトや、院内の検体搬送ライン(ベルトライン)と連動するシステムも開発する方針。

計測機器事業を2022年度に、19年度比7・5%増の2540億円に引き上げる計画の一環。島津は主力の計測機器を医療分野へ応用展開する取り組みに注力している。

臨床検査で一般的な免疫自動分析装置と比べると、LCMSは血中や尿に含まれる薬剤を倍の精度で分析できる。加えて多剤一斉分析が可能となるのが特徴。欧州では抗がん剤の投薬量の緻密管理などで使われ始めたが、従来は前処理が手作業で煩雑な上、時間もかかることが、普及への課題となっていた。

提案本格化でまず投入する薬機法対応の検体前処理装置「CLAM―2030CL」は専用容器に検体を入れて装置に投入し、開始ボタンを押すだけで手作業は不要。検査に必要な成分のみ抽出してLCMSに供給するまでの多数の前処理工程を5分で完了する。手作業の場合、その3倍の15分かかっていた。

同装置とLCMSのセット価格は5000万円(消費税抜き)から。まず日本と欧州で展開。22年度までに累計20セット超の販売を狙う。

新製品の精度管理や内部機構、ユーザーインターフェースは臨床向けの血液凝固分析装置で培った技術を活用した。LCMSでの測定を含む全体時間も、自動化が進んでいる免疫自動分析装置と大きく変わらず、大学や病院、研究機関でも高い評価を得たという。

日刊工業新聞2020年9月30日

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