コンビニ店舗指導員の評価制度変更、24H営業問題の解決に繋がるか
大手コンビニエンスストアが店舗指導員らの評価制度を見直している。店舗の業績重視から、店舗オーナーとの意思疎通など行動部分の評価比率を引き上げる。コンビニ本部は24時間営業問題や契約更新など多くの問題を抱えるが、具体的な経営アドバイスなど店舗オーナーが真に求めるものを提案できる指導員が評価される仕組みにすることで、問題解決につなげる。
セブン―イレブン・ジャパンは、3050人いる店舗経営相談員(OFC)とその上司にあたる約290人のエリア責任者(DM)、さらにDMの上司である21人のゾーンマネージャー(ZM)の評価制度を変更。現在、新制度を適用した評価を実施中で、今冬の賞与から適用し、年1回の定期昇給にも活用する。
OFCは担当する店舗の業績評価の割合を40%から20%に下げる一方、新たに設ける「個店行為計画評価」や行動評価などプロセス評価の割合を60%から80%に引き上げた。
個店行為計画には、担当店舗の強みを店舗オーナーと共有できているか、店舗オーナーと共通認識を持っているかなど合計40項目を「〇」か「×」で評価し点数化する。ZMの評価も同じ割合を使用する。
DMは70%だった業績評価を30%まで下げ、プロセス評価を30%から70%に高めた。
ローソンは2015年に見直した。店舗の経営指導にあたるスーパーバイザー(約1200人)や、その人たちを統括する支店長(約110人)がいる。各組織の評価に対して、個人評価目標があり、「担当店舗の利益や売り上げ目標」の達成度が30%、残りを「店舗の課題に沿った目標の達成度」などが占める。
ファミリーマートは19年3月から売り上げ実績の指標のウエートを60%から30%に下げ、加盟店の利益や顧客満足度の指標ウエートを高めた評価に変更している。