くら寿司が「一船買い」漁港に島根と鹿児島を追加!天然魚仕入れ強化
くら寿司は定置網漁でとれた魚を丸ごと買い取る「一船買い」の対象漁港を、島根県と鹿児島県にも選定したことを明らかにした。現在3カ所で実施しており、国内5カ所に拡大する。国内天然魚の仕入れを強化するとともに、地域の漁業関係者の収益安定化に貢献する。すしネタ全体に占める国内天然魚の割合を現状の3―4%から5%に引き上げる目標を掲げており、達成に弾みを付ける。
くら寿司は現在、福井県の鷹巣(たかす)漁港、愛媛県の魚島、香川県の小田漁港で一船買いを行っている。島根県、鹿児島県での開始時期は未定。鹿児島県は離島を選んだ。
同社は2015年に漁業創生の一環として漁船の定置網漁でとれたすべての魚を年間契約で仕入れる「一船買い」を開始。通常、市場に卸すことができず廃棄になる魚や、幼魚も全て買い取ることで、漁師の安定した収入につながっている。
くら寿司にとっても漁獲量に左右されずに安定した価格で仕入れることができ、消費者に安い価格での提供を維持できるメリットがある。
同社は漁師や漁協と直接取引のある全国110カ所の漁港を含め、国内天然魚の取引量が年間約1500トンにのぼる。
ハマチや真鯛など全国から買い付けた天然魚を、大阪府貝塚市にある加工場「貝塚センター」で24時間以内に加工し、全国の店舗に供給している。
今後、台湾や米国など海外の店舗に輸出することも検討している。
日刊工業新聞2020年9月28日