大手繊維商社が挑む、「スマート衣料」の勝ち筋

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取り扱いを始めたスマート衣料の商品群

大手繊維商社の豊島(名古屋市中区、豊島半七社長、052・204・7711)が、着るだけで生体情報を得られるスマート衣料分野に乗り出した。コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じて出資した、Xenoma(ゼノマ、東京都大田区)などベンチャー企業が開発するスマート衣料の取り扱いを始めた。スマート衣料は東レや帝人など素材大手も力を入れる有望分野。アパレル業界が苦境に陥る中、豊島は次世代の収益源として育成を急ぐ。(名古屋・永原尚大)

「アパレルブランドだけでなく医療や介護、保育関係からも問い合わせがある」。豊島の溝口量久執行役員は、スマート衣料に対する多方面からの反応に手応えを感じる。

同社はアパレルブランドを主要顧客としてきたが逆に、それ以外の業界との関係は薄い。折しもアパレル業界は新型コロナウイルスが追い打ちをかけ厳しさが増す。豊島にとってスマート衣料は新たな販路を築くための武器にもなり得る。

同社は2017年にCVCを設立し、優れたスマート衣料を開発するベンチャーにも出資してきた。ベンチャーが課題とする営業力を補う形で商品の販路開拓を進める。

豊島が販売を始めたゼノマのパジャマは、搭載したセンサーで睡眠中の状態を計測する。ミツフジ(京都府精華町)のスマート下着は銀メッキ繊維を活用して心拍数を取得できる。またユニファ(東京都千代田区)のベビー服はセンサーでうつぶせ寝の状態になったら注意喚起する。今後も「普段の生活の中で健康を見守る」(溝口執行役員)商品を拡充する方針だ。

富士キメラ総研(東京都中央区)によると、スマート衣料の国内市場は24年に18年比15倍の135億円にまで成長すると予測されるという。ここ数年で大手素材メーカーも相次ぎ参入しており今後、競争が本格化しそうだ。

日刊工業新聞2020年9月7日

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