三菱ケミカルがジョブ型促進、「会社と従業員がともに成長する文化」目指す

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三菱ケミカルは10月から、社内公募による部署異動や、職務内容(ジョブ)に応じて処遇する「ジョブ型」雇用の導入を拡大し、人事制度を刷新する。主体的なキャリア形成や新しい仕事への挑戦を促す。新人事制度を通じ、多様な人材の活躍を支援し、社会や産業の変化に対応する。

社内公募は、10月に一部部署の担当者を対象に実施し、2021年4月には全ての異動対象に広げる。

また17年度から管理職に導入した「職務等級制度」について、各役職の職務内容や必要なスキルなどを精査し、ジョブ型の処遇を徹底する。一般社員も年齢を含む職能による評価を止め、ジョブ型に近い処遇へシフトする方向で労組と協議する。

中田るみ子取締役常務執行役員は、「管理職は17年度からジョブ型だったが、年齢や勤続年数の影響が残っていた。ジョブディスクリプション(職務記述書)の精査や公募などによって、より主体的なキャリア形成を促す」と狙いを語る。

また一般社員は本人の意向を無視した転居を伴う配属をゼロにする。管理職も、勤務地継続や勤務地の希望を聞いて対応する。

インタビュー/三菱ケミカル取締役常務執行役員 中田るみこ氏 会社と従業員、ともに成長

日本でジョブ型雇用など人事制度改革が広がってきた。中田取締役常務執行役員に今後求められる人事労務のあり方を聞いた。(梶原洵子)

―人事労務面の課題をどう見ていますか。

「価値観が多様化し、昔の『男性社員中心で、会社都合の転勤は当たり前』のやり方では通用しなくなった。多様な人材が意欲的に働けて、そうした人材にとって魅力的な人事制度および会社になる必要がある。会社が変わるには数年かかる。三菱ケミカルでは若手が中心となって当社に必要な制度を徹底的に議論した」

―職務が変わらなくても、長年のノウハウで設備の不調を早く見つけられる人などは、どう処遇しますか。

「職務の成果として給与が上がりやすくする。ラインの取りまとめなどの職責の違いとは別に評価する」

―新制度を生かして会社が変わるためには何が必要ですか。

「カギは上司と部下のコミュニケーションだ。上司には、面談を通じて部下がキャリアを考える支援や、部下のキャリア希望に応じた後任育成などが求められる。また社内にある多様な仕事を知ってもらうイベントの開催もアイデアの一つだ」

―目指す姿は。

「一人ひとりが主体的に仕事をし、イノベーションが促進される会社になるため、人事労務を通じて手伝いたい。『主体的なキャリア形成』と『透明性のある処遇・報酬』『多様性への促進と支援』の好循環によって、会社と従業員がともに成長する文化につながると信じている」

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