増える「密」倒産、業種に広がり

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冠婚葬祭などサービス産業で増える倒産(写真はイメージ)

新型コロナウイルスの影響を受けた倒産で、業種が広がりつつある。帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)の倒産調査は、それぞれ1日までに累計300件を超えた。業種別では飲食や宿泊が上位を占める一方、「密」になりやすい結婚式場や葬祭業などの生活関連サービスの倒産が増えてきた。緊急事態宣言解除で営業自粛は解かれたが、6月の倒産件数は2社ともに5月を上回り、さらに影響範囲が拡大する懸念がある。

TSRは6月単月の調査リポートで、生活関連サービスの倒産が増えてきたことを指摘する。担当者は「今後感染者が増えて再び営業自粛になれば、人を集めるサービス業は厳しくなる」と危惧する。またTDBは業種の広がりの兆候として、人材派遣業の倒産が1日時点で3件あることを挙げる。コロナ禍で企業の経営環境が悪化したこともあり、サービス業などを中心に「人手不足に一服感が出てきたことが原因」(担当者)と分析する。

一方、製造業の倒産は目立つほど多くはない。TSRの調査では、累計件数のうち飲食と宿泊を含む「サービス業他」が約50%で、「製造業合計」は約15%にとどまる。

ただ、自動車向け空調部品のサンデンホールディングス(HD)が私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請、受理された。製造業は車産業をはじめ、サプライチェーン(部品供給網)には2次、3次と数多くのメーカーが連なる。調査2社は、サンデンHDの下請け企業に影響が及ぶことを懸念する。

日刊工業新聞2020年7月3日

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