コロナ禍でも通期業績を上方修正したDMG森精機、工作機械最大手の手応えとは?
「7―9月期の受注高は700億―750億円に戻る」
DMG森精機は27日、2020年12月期連結業績予想(国際会計基準)で、レンジ形式で開示していた売上高の下限値を5月予想比100億円増の3300億円(前期は4857億円)、営業利益の下限値を同20億円増の70億円(同373億円)に上方修正すると発表した。4―6月期の実績と足元の事業環境を踏まえて修正した。「7―9月期の受注高は700億―750億円に戻る」(森雅彦社長)見込みで、その後も緩やかに回復するとみる。
売上高、営業利益ともに上限値は据え置いた。また、未定としていた当期利益は、前期比94・4%減の10億円から同83・3%減の30億円の範囲になるとの見通しを示した。
同日発表した1―6月期連結決算は、営業利益が前年同期比87・9%減の24億円となった。新型コロナウイルス感染症の影響で工作機械の販売数量が落ち込んだが、粗利率の改善やデジタル化の推進、人件費削減が奏功し、黒字を確保した。
受注額は同39・5%減の1355億円。移動制限などの影響で、特に4、5月の受注が大きく減少した。一方、5軸・複合加工機や自動化の販売比率が高まり、1台当たりの受注単価は19年12月期比5・5%増となった。
日刊工業新聞2020年8月28日